相手を深く理解し、 その言葉に耳を傾ける。 プレーの背景にある、 アスリートの想いを伝えたい。
相手を深く理解し、 その言葉に耳を傾ける。 プレーの背景にある、 アスリートの想いを伝えたい。
佐野司SANO TSUKASA
2005年入社/法学部 法律学科卒
記者 PROFILE0104
読売新聞を選んだ決め手
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読売新聞を
選んだ決め手
幼いころから 惹かれた新聞の世界。 息づかい感じる 記事に魅力。
幼いころから惹かれた新聞の世界。 息づかい感じる記事に魅力。
小学校高学年の頃から新聞を読むのが好きで、特に、社会面やスポーツ面によく目を通していました。その頃から、漠然と新聞の世界に惹かれていたと思います。仕事として意識したのは大学3年生のとき。ゼミの先生が元新聞記者で、臨場感あふれる取材体験談や骨太なジャーナリズム論の話に魅了されました。恩師の「あらゆる現場に足を運び、人と会い、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じたことを書く。記者の仕事ほど楽しいものはない。一回やるとやめられないぞ」という言葉は、今も鮮明に覚えています。大学の図書館で各紙の社会面、スポーツ面の連載企画などを、意識的に読み比べ始めたのもその頃です。その中で、治安や防災、当時のプロ野球界再編などを扱う読売新聞の記事が強く印象に残りました。もちろん、各紙も同様に取り上げていましたが、読売の記事や企画は登場人物が多岐にわたり、より丁寧に現場の声や実情をすくい上げているように感じました。それは多分、事実を伝える記事の向こうから、取材対象者の息遣いが聞こえてきたから。自分もそのような記事を書く記者になりたいと思い、入社試験を受けました。
0204
私の仕事術
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私の仕事術
北米で活躍する 日本人アスリート。 プレーの背景、繊細な感覚に 迫る取材を。
北米で活躍する日本人アスリート。 プレーの背景、繊細な感覚に迫る取材を。
入社後、山形支局、前橋支局、東京本社運動部などを経て、2019年2月からロサンゼルス支局で北米スポーツを担当しています。日本人選手を中心に、これまで大谷翔平選手らがプレーする大リーグのほか、NBA(八村塁選手ら)、ゴルフ(松山英樹選手ら)、テニス(大坂なおみ選手ら)、スケートなどの冬季スポーツ、東京五輪新種目のスケボー、サーフィンなどを担当しています。スター選手の一挙手一投足が「速報」として、次の瞬間にインターネットに流れる時代に、プレーや試合結果をただ報じるだけの記事では埋没してしまいます。大切にしているのは、選手が現場で見せる何気ないしぐさや変化をつぶさに観察し、見逃さないようにすること。そして、それを取材で選手にぶつけて原稿に盛り込むことです。トップアスリートは、常に課題を持ち試行錯誤の中で最善のプレーを追求しています。プレーの背景にある意図や、繊細な感覚に少しでも迫り、競技の魅力を伝えたい。そして「読者に代わって現場にいるからこそできることは何か」ということを、常に自問自答して取材に臨んでいます。
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成長を実感したポイント
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成長を実感した
ポイント
巨人軍・阿部選手と スカウトの絆。 アスリートの想いに触れた 実感。
巨人軍・阿部選手とスカウトの絆。 アスリートの想いに触れた実感。
2018年、読売巨人軍を担当していた当時、阿部慎之助選手(現二軍監督)と、同年1月に亡くなった担当スカウトの中村和久さんの絆について原稿を書きました。敏腕スカウトだった中村さんは「選手は恋人」が口癖で、中央大出身の阿部選手をはじめ多くのアマチュア選手の獲得に力を尽くした方でした。中村さんを祖父のように慕っていた阿部選手は、春季キャンプ参加のために告別式には出席できなかったのですが、通夜の前日、仏前に手を合わせ自身のユニホームに「中村さんの恋人になれて良かった」と書いて棺に入れたそうです。この話を阿部選手から聞いたとき、心が震えました。プレーの裏に隠されたアスリートの強い想いに触れ、そしてそれを原稿にして読者に届けることができたとき、大きなやりがいを得られます。秘話を聞くことができた時の喜びはスポーツ記者の「原動力」です。アスリートの思考を理解するために、たった一言のコメントの意味を何日も考え抜くこともあります。頭の中まで密着し、彼らの本音に少しでも迫れた時こそが、成長を実感する瞬間ではないでしょうか。
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読売新聞で叶えたい未来
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読売新聞で
叶えたい未来
人々の心を一つにする スポーツの力。 国際大会などの大舞台を 経験したい。
人々の心を一つにするスポーツの力。 国際大会などの大舞台を経験したい。
2020年のスポーツ取材はコロナ禍で異例ずくめでした。無観客で行われた大リーグ、米ゴルフツアー大会。BLM(Black Lives Matter:人種差別抗議)運動の際は、各リーグ、各チーム、選手が一斉に声を挙げ、取材予定だった大リーグの試合が直前になって中止になったこともありました。ロサンゼルスでは野球のドジャースが32年ぶりに、バスケットボールのレーカーズが10季ぶりに優勝し、街中は花火が打ちあがる大騒ぎに。さまざまな分断を超えて、人々を一つにするスポーツの力を実感した1年でした。今後は、五輪や野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」などの大舞台の取材を経験したいと思っています。そこは、入念な下準備、的確な取材、質、量、スピードを含めた筆力など、スポーツ記者に必要なあらゆる素養が求められる現場になるでしょう。多彩な取材経験を重ねる中で自分の能力を高めていきたい。そして、少しでもアスリートの気持ちや考えに近づくことができる記者になりたいと考えています。
ロサンゼルス支局があるカリフォルニア州は、日本とほぼ同じ面積。休日は、広大な国立公園を車で巡り、雄大な景色を楽しんでいます。公園といっても日本のそれとは異なり、高い標高の山岳地帯から砂漠エリアまでさまざま。自然の中でリフレッシュしています。また、山形支局時代に覚えた郷土料理「芋煮」を作るのも、休日の楽しみの一つです。
午前
午後
夜
起床
ロサンゼルス支局へ出社助手と打ち合わせ。
昼食
エンゼルススタジアムへ
移動
試合前の記者会見米メディアと共にエンゼルスのマドン監督にZoom取材。
エンゼルス―マリナーズ戦がプレーボール
大谷選手が四回に
右越え3ラン、日本時間は正午過ぎ夕刊の締切に間に合わせるため、原稿を作成し夕刊スポーツ面に送信。
組み上がった原稿を
確認しつつ、
試合の取材を継続
試合終了後、
大谷選手にZoom取材コメントを盛り込んだ原稿を朝刊用に執筆、送信。
帰宅、就寝