誤りの指摘では終わらない。 表現の選択肢を探り、 締め切りを迎えるまで、 紙面を磨き続ける。
渡辺美樹WATANABE MIKI
2011年入社/法学部法律学科卒
記者 PROFILE0104
読売新聞を選んだ決め手
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読売新聞を
選んだ決め手
表記ルールを 熱く語る姿に 引き込まれる。
表記ルールを熱く語る姿に引き込まれる。
10代のころから新聞はよく読んでいたため、就活を始めた頃、家庭で購読していた読売新聞の説明会に出席しました。実はこのとき、記事として印刷される前の原稿の誤りを探し、指摘する「校閲」という仕事があることを生まれて初めて知ったのですが、当時の校閲部長が、文字の表記などにまつわるルールについて熱く語っており、一気に引き込まれました。そして細かいことが気になる性格の自分にぴったりだと直感、応募を決めました。もともと、言葉にまつわることは好きでした。中学・高校時代に慣用句などのテストを楽しんだり、学生時代にCDのレンタルショップでおすすめの作品を限られた文字数で紹介するアルバイトを経験したりと、様々なことが糧になりました。新聞社もたくさんあり、他社の説明会ものぞいてみましたが、読売新聞の社員には堅苦しい雰囲気がなく、学生と明るい雰囲気でコミュニケーションを取っていたことが印象に残っています。私が働くならここだと、思いました。
0204
私の仕事術
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私の仕事術
「待つ」立場でも 先回り。
「待つ」立場でも先回り。
校閲は原稿を待つ立場ですので受け身と思われがちですが、出稿予定を見て資料を整理しておくなど、「先回り」を心がけています。校閲は政治・国際問題・医療・スポーツ・経済・事件などなど、あらゆるニュースをチェックしなければいけません。ここが、経験を積んで徐々に専門分野が決まっていく取材記者とは違う部分です。あらゆる分野について専門的な知識を得るのは現実的ではありませんが、誤りに気づくには、原稿を読んだときに「違和感」を持てるかどうかが大切だと考えています。このため、普段意識しているのは自分が元々関心を持っていない分野の話も含めて、様々なニュースに触れ、頭の中の引き出しに入れておくこと。さらに、その世界でしか使われない業界用語なども、仕事をしながら知識として得ていくことです。校閲記者によってそのやり方は様々でしょう。私の場合、新聞はもちろん、オフの時間もラジオ、インターネット、SNSなど、様々な媒体に触れています。
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成長を実感したポイント
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成長を実感した
ポイント
原稿救う「命綱」。 校閲職の誇り。
原稿救う「命綱」。校閲職の誇り。
入社前にはスポーツや経済のニュースに関心が薄く、苦手意識がありましたが、自分なりに勉強を重ねて多くのジャンルに対応できるようになってきたと感じています。日々、自分の担当した面が誤りなく終えられたときには達成感を覚えていますが、一方で校閲は「失敗がないのが当たり前」という役割を期待される立場でもあります。それだけに、ミスを指摘した際に、謙虚に対応していただいた場面は印象に残ります。数年前、朝刊一面の「編集手帳」に関してやりとりをしていた執筆者の記者に、「校閲部は命綱です。これからも原稿の命を救ってあげてください」と声をかけられました。誇らしく思うとともに、身の引き締まる思いにもなりました。
0404
読売新聞で叶えたい未来
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読売新聞で
叶えたい未来
紙面作りに関わる、 全ての人たちが 円滑に働くために。
紙面作りに関わる、 全ての人たちが円滑に働くために。
閉鎖的にならず、全体を見て行動できる人になりたい、と考えています。キャリアが浅い頃は、原稿について出稿した部に問い合わせをしても、要領よく質問ができず、思うように原稿を改善できない場面がありました。その後、簡潔に結論から話すことや、相手がどんな状況で原稿をみているか確認してから質問するなど、工夫を重ねるようになっています。一人一人が原稿に向き合う校閲という仕事は、一人で完結してしまうように見られがちかもしれません。しかし、多くの人たちと意見交換をして、表現の選択肢を探り続けることで紙面を「磨く」ことが可能になると思います。常に他の人に対する想像力を働かせ、部内や部外の人と積極的に意思疎通を図ることで、自分はもちろん、紙面作成にかかわる全ての人が円滑に働くことができるような校閲記者を目指していきます。
いわゆる「見る鉄」&「乗り鉄」です。車両のデザインに惹かれるので、引退する旧型の車両や、デビューした新型の車両をわざわざ見に行くことも。長期休暇では、もちろん鉄道に乗って旅行します。
昼
夕方
夜
起床家事をこなす。新聞やテレビ、ラジオで情報をチェック。
出社 出稿予定を確認。原稿が出ていれば早速着手し、なければ早めに夕食を取っておく。早版の締め切り時間まで、原稿やイラスト素材に目を通していく。事実確認のため照合資料やインターネット、書籍などを参照する。
組み上がった大刷りゲラ(新聞とほぼ同じ大きさの試し刷り)で作業 見出しや写真の説明文が記事の内容と合っているかどうか確認。早版が校了した後は、確認漏れがないかどうか再校する。調べきれなかった点は次の版までにカバーする。
最終版校了後、帰宅