徹底した 読者目線と現場主義
読売新聞が大事にしてきたのは、徹底した「読者目線」と「現場主義」です。1961年(昭和36年)から1963年(昭和38年)まで4次にわたって連載した「交通戦争」企画は、頻発していた交通事故の悲惨さに警鐘を鳴らし、この連載を通じて「交通戦争」の言葉が一般に使われるようになりました。1992年(平成4年)から続いている連載企画「医療ルネサンス」は、身近な病気の解説や新しい治療法を患者の視点で伝えています。2005年から続く「教育ルネサンス」は、変わりゆく教育現場の「今」をリポートし、生活に役立つ情報をお届けしています。2011年(平成23年)に発生した東日本大震災では、被災者に寄り添ったニュースを発信し続けました。放射線への恐怖心をあおるような情報が飛び交う中で、専門家を交えた勉強会を頻繁に開き、正確な情報を提供するための努力を重ねました。震災後も、風化を防ぐため、連載記事や特集記事などの掲載を続けています。こうした「読者目線」と「現場主義」は、読売新聞のDNAとして刻み込まれています。
“記者力”を強化し、 メインストリームで あり続ける。 メインストリームであり続ける。
メディアが多様化する中、情報の迅速さと正確さ、ニュースの流れをとらえる力を備えているメディアは新聞のほかにありません。高度経済成長期に、速報性を武器とするテレビメディアが登場すると、読売新聞は1970年(昭和45年)、ニュースを多角的に分析し、解説する「今日の断面」というページを他紙に先駆けて創設しました。現在の「解説面」の始まりです。背景事情を掘り下げて取材し、読者の興味を引くエピソードを記事に織り交ぜ、今後の展望を見通すためには、確かな“記者力”が必要です。読売新聞は、記者教育実行委員会(記者塾)できめ細かい記者教育を行い、取材や原稿作成のノウハウを伝えています。デジタル化による情報の洪水の中で、読売新聞がメインストリームであり続けるために、“記者力”の強化に取り組んでいきます。苦難を乗り越えた先人の知恵と努力に思いをはせつつ、読売新聞のDNAに組み込まれている進取の精神を発揮し、読売新聞はこれからも進化を続けていきます。